2008年6月14日土曜日

iPhoneも良いけど、あんまりゲーム機を舐めるなと

// ちょいとタイトル修正しました。だってこんな記事に「iPhone ゲーム」とかで検索してくる人居るんだもん、ビビります。
本題入る前に疑問なんだけど、何で「iPhoneの登場で携帯キャリアの勢力図はどう変わる?」みたいなこと言われてるんだろ。

いや単純な話で、携帯電話って1年で5000万台以上売れてるんじゃないの?
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0803/19/news045.html

iPhoneが100万台売れようが200万台売れようが、2%~4%程度。趨勢にたいして影響するとは思えない。


だいたいiPhoneは携帯電話じゃなくてスマートフォンの分類で、だからDocomoやKDDIが静観してるのに、イー・モバイルがあんな攻撃的な発言をしているじゃないのかと。

「iPhone独壇場の時代は終わった」と千本氏 イー・モバイルがタッチパネル端末
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/10/news090.html

そりゃイー・モバイルにしたら、自分達の市場を横から掻っ攫われるのは堪らんという危機感がある。でも、1年前にiPhoneが発売されたアメリカでは、逆にiPhoneの登場でBlackberryやPalmといったスマートフォン市場全体が盛り上がってるみたいなのよね。

iPhone popularity spurs Blackberry sales
http://news.moneycentral.msn.com/provider/providerarticle.aspx?feed=AP&date=20080403&id=8429385

そんでもってアメリカで今一番売れてるスマートフォンはiPhone、ではなくBlackberry

iPhoneの米国市場シェア、第1四半期に減少--IDC調査
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20374502,00.htm

日本はiPhoneで大騒ぎだけど、アメリカ人は結局のところ、安くて、シンプルで、タッチスクリーンのキーボードじゃなくて実物のキーをポチポチ打てるBlackberryを選んでいるわけだ。まあスマートフォンのメインはビジネスユースなので、安くてシンプルなのが台数売れるのは当たり前なんだけどね。


・・・と、ここまで書いたことは本題に全く関係なし。内容的にはググれば簡単に出てくる記事ばっかで、とりあえずiPhone腐したれという気分になったから書いただけです。そういう気分の時ってあるよね。



ここからが本題。何で腐したか言うと―まあ結局八つ当たりになるんだけど―先日Forbes.comに載った「Why Apple Could Kill The Nintendo DS」という記事に無性に腹が立ったからです。

Why Apple Could Kill The Nintendo DS
http://www.forbes.com/technology/2008/06/04/apple-nintendo-iphone-tech-wire-cx_bc_0605nintendo.html

これがまー「DSのタッチパネルとWiiのモーションセンサー、iPhoneには両機能が付いている → うはwww iPhone 最強すぐるwww」という考えで書かれた(としか思えない)トンデモ記事で、当然のように元記事のコメント欄でも、海外ゲーム系ブログ界隈でもボロクソに叩かれているんですが、実際ちょっと考えれば分かるけど、ゲーム機として比較した場合の DS / iPhone はハナから勝負にならないですよ!

価格16000円 / 20000~30000円+毎月の通信料
累計7000万台(発売3年半) / 600万台 (1年)
DS1000タイトル(+GBA800タイトル) / スーパーモンキーボールとボンバーマンとSpore、他不明
小遣い貯めれば子供でも買える値段 / 月額料金があるので親がダメと言ったらダメ
ゲームが出来る / ゲームも出来る
タッチパネルも使える / タッチパネルを使うしかない

Forbesの記事に対するゲーマーの反応はだいたいこんな感じ。
「妄想大爆発だなおい」
「今年最大の大物だ、正真正銘のApple信者だぜ!」
「とりあえずForbesは買う価値無しってことだけは分かった」
「日本にもこんな感じの媒体あるよなw つNikkei」
「スマートフォン+ゲームと言うとノキアのN-Gage思い出すな、アレどうなったんだろ?」
「DSどころかPSPにすら勝てねーよ!(※PSPは3000万台)
「↑PSPにはSkypeもあるしな」
「モーションセンサーがあるから凄いって…、むかしむかしSIXAXISというものがあってだな…」
「MacでPCゲームメーカーから総スカン食らってんのに、何を根拠に成功できると思ってんだ?」
「任天堂のゲームが遊べるゲーム機と、遊べないゲーム機、どっちを取るかは聞くまでも無いね」


もう一つ、「iPhoneはNintendo DSと同じタッチパネル操作だから~」なんて事は、どちらも触ったことのある書き手なら口が裂けてもいえないハズなんです。
DSとiPhoneじゃタッチパネルの接触方式が違って・・・え~、簡単に言うと、iPhoneではタッチペン操作ができないんですね。(サードパーティ製の専用ペンを使えば可能)

DSのタッチパネル操作ってのは要するにタッチペン操作の事で、ゲームみたいな細かい画面を軽快に操作するのにはタッチペンが無いとほぼ不可能、ってのはDSやった事のあれば誰でも経験的に分かっていること事。タッチペン操作が出来ない以上、iPhoneのゲームはDSのゲームとは非常に異なる内容にならざるおえないわけで、ただでこそ十字キーやボタンでの操作が出来ないのに、タッチ操作まで別モノだったらそれはもうDSとは全く別次元の話。それを「タッチパネルだから」と一括りにするのは無理があるってもんですよ。

なんで未だにネットワークだのモーションセンサーだのタッチパネルだの、瑣末な機能がさも重要な事の様に言われてるのか分からないですが、ゲーム機ビジネスで一番大事なのは、「良いゲームが出るか」 これでしょ!

iPhoneが今後どのくらい成功するか分からないし、そりゃiPhoneの機能を使った面白いものが作られれるのならそれに越した事ないけど、あんまりメディアが持ち上げすぎて、ゲーム開発者とかユーザーが泣きを見るような事にならなきいいなぁと、ただそう思います。