2008年11月9日日曜日

Machinima.comが資金調達に成功 - MAD動画はビジネスになる?

Machinima.com Raises $3.85 Million
http://newteevee.com/2008/11/06/machinimacom-raises-385-million/

マシニマの総合ポータルサイト、Machinima.comがシリーズAの投資ラウンドでベンチャーファンドと個人投資家から合計385万ドルの資金を集めたという話題。ゲーマーサイドから見た、より詳しい解説がKotakuに載っています。
http://kotaku.com/5078335/machinima-raises-millions


マシニマとはゲームのキャラクターやゲームに使われている技術を流用して作られた映像作品の事で、日本で言うところのゲーム系MAD動画の一種。

内容的には、キャラクターの台詞を吹き替えただけの単純なものから、MODツールやグラフィックエンジンからオリジナルのキャラクター、ステージを作成してドラマを展開するような本格的なものまで作られていて、今月にはニューヨークでマシニマ作品を集めた映画祭も開催されています。

また、トヨタ(http://youtube.com/watch?v=u15HmEMp2Qc)やネスレ・キットカット(http://youtube.com/watch?v=OrAHBk4ZAeQ)のように、マシニマを広告プロモーションに活用する企業も出てきています。


今年評判を呼んだマシニマとしては、Half-Life2/Portalのエンジンを使った『Portal: A Day in the Life of a Turret』が字幕付きでニコニコ動画に上がってるので例としてリンクしときましょう。



マシニマが注目されている背景には、YoutubeやDailymotionのような動画サイトの普及や、ゲームグラフィックスの進歩、MOD制作コミュニティの成熟などがあり、その流れを受ける形で昨年MicrosoftがHalo3の発売に合わせてマシニマ制作者へのガイドラインを公表したことも、大きな転換期となりました。

Machinima Licenses Spell Out New Rules for Creators
http://www.wired.com/culture/art/news/2007/09/machinimalicenses

この記事にはガイドラインの規約に対するマシニマ制作者からの「線引きをしてもらえれば活動しやすくなる」「ライセンスの縛りが厳しすぎる」といった賛否両論の声が載っていますが、どちらにせよこうやってメーカーが公にマシニマの活動に言及したというのは、それだけマシニマ制作シーンが盛り上がっているという証拠でしょう。
このMicrosoftの発表後には、WoWのBlizzardもエンドユーザー向けマシニマライセンスを公開。Valveもマシニマ制作者に配慮したゲームオプションやMODツールの提供について言及するなど、他のメーカーからもマシニマ制作をサポートする動きが出ているようです。


Machinima.comは月間300万人のユニークユーザーを抱える最大手のマシニマポータルサイトで、主な収益源はゲームメーカーとのタイアッププロモーションや外部ECサイトへの誘導報酬。金融不安下にあって今回この時期にまとまった資金を得られた事は、年間ゲーム販売の3割~5割が集中する11月末からのホリデーシーズンに向けて大きな弾みになると書かれています。

また、Machinima.comの動画はYoutube上でも公開されておりhttp://youtube.com/user/machinima)視聴ページの広告からも利益を得ているようです。
このMachinima Channelは、Youtube上で7番目に購読者数(Subscribe)の多いチャンネルであり、最も再生数の多いHalo3のネタ動画は、現時点で600万回以上再生されています。



ゲーム系MAD動画にプロモーション効果があるというのは、日本でもアイドルマスター×ニコニコ動画のニコマスで誰もが認める事になっていますが、こうやってビジネス展開に持っていける辺りが如何にもアメリカ的。
ナムコなども例のブルーバックコマンドのように、さり気無くニコマス職人をサポートする姿勢を見せていますが、いかんせん日本のファンコミュニティは本家が公認したりビジネスに利用しようとすると途端に盛り下がる傾向があるので、今までどおり、穏やかな黙認と職人さんの片思いという図式が一番美しいメーカーとユーザーの関わり方なのかもしれません。もったいないけどね。